年の差恋愛

「亜美〜！相変わらず可愛いなあ！」

そう言うなり、亜美に抱きついた父、洋一。

「もぅ、洋ちゃん！苦しいから離して！」

…亜美は、ずっと、パパとか、お父さんとか呼びたかったのだが、洋一は、断固拒否！渋々、洋ちゃんと、愛称で呼んでいる。

「…洋一！亜美が嫌がってるでしょ！止めなさいよ。嫌われるわよ」

亜美の母、あけみの一言により、洋一は、ぴたっと亜美から離れた。

…流石は、嫁。旦那の事は心得ている。

夕食中も、洋一はずっと亜美の横の席をキープして、あけみはもう呆れていた。

当の亜美も、笑顔が引きつるほど。

「亜美、今日は一緒にお風呂入ろう？」
「…は？冗談やめてよ、洋ちゃん！私もいい大人なんです！絶対イヤ！」

洋一のお願いに、もちろん拒否した亜美。あけみは苦笑している。洋一は傷ついた顔になりつつ、渋々一人でお風呂に入って行った。

「ママ、洋ちゃんどうにかしてよ〜」
「…もう、あれは病気だから、諦めて」

「イヤだよ。…なんで、妹とか作らなかったの？」
「…それはね〜…ほら、よくあるじゃない、2人目不妊ってやつよ。頑張っても、無理なものは無理だったんだから…私も洋一も、亜美が一人いれば十分」

「…ごめん、ママ。変な事言って」

素直に謝れば、あけみは、笑顔で首を振った。

そんな時、インターホンが鳴り、亜美は慌てて玄関へ。

「…はーい…あ」
「これ、一緒に飲もうと思って持ってきたんだけど…あれ？お客さん？」


…なんてタイミングで、茂が来てしまった。しかも…


「…亜美〜…あれ、誰？このオヤジ？」
「…よ、洋ちゃん」

お風呂上がりの洋一が亜美を後ろから抱き締めた。笑顔だった洋一は、茂の顔を見た途端、ギロッと睨む。

茂もまた、亜美に馴れ馴れしく抱きつく謎の男、洋一を睨んだ。