年の差恋愛
あけみに言われて、その言葉にハッとした。

…茂が好きだ。ずっとずっと一緒に居たいと思う。大好きな茂の子供を産んで、一緒に子育てして、子供が大きくなったら後は二人で楽しい余生を送れればなんて、気楽に考えていた。

でも、現実はちょっと違う。いや、全然違うかもしれない。子供が大きくなったら、亜美はまだ、40代、遅くても50代くらい。だが、茂はもっともっと歳をとる。

歳を取れば、体も老いていく。一人で生活できない体になってるかもしれない。そうなれば、亜美は一人で、全てを背負わなければならない。

結婚は、夢の様な生活をする訳じゃない。楽しい事、嬉しい事、悲しい事、辛い事、全てを乗り越え、受け止めなければならない。

その覚悟は、今の亜美にあるだろうか?

「…亜美、付き合うだけなら何も言わない。でも、結婚するなら、全て受け入れ、乗り越えていける覚悟があるなら…その覚悟が出来たら、洋一と私に、もう一度言いに来なさい。その時は、ちゃんと聞くから…ね、そうよね?洋一?」

「…気が向いたらな」
「洋一‼︎」

「…何度来ても、賛成は出来ないかも知れないけどな…話だけは聞いてやる」

「…もぅ、洋一ったら」

少し拗ねたような洋一は、そっぽを向いたまま、そう言って、あけみは溜息をついて、呆れていた。

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