年の差恋愛
…そして、茂はその足で、亜美の元へ向かった。会う約束をしたのは明日だ。

でも、どうしても今すぐ亜美に会いたかった。

避けられるかもしれない…会ってくれても、別れようと言われるかもしれない。

それでも亜美に会いたかった。会って、ギュッとこの腕の中に亜美を抱きしめたかった。

ピンポンと、インターホンを押す。…その数秒後、ガチャガチャという音と共にドアが開いた。

「はーい…茂さ、わっ!」
「亜美、会いたかった」

「…」

亜美の顔を見た途端、愛しさが一気に込み上げて、自分の方に引き寄せた茂は、そのままギュッと抱きしめて、そう囁いた。

亜美は驚いて、固まっている。しばらく亜美を堪能した茂は、ようやく亜美から少し離れると、亜美を見下ろした。

「…ごめん、驚かせたな」

茂の言葉に、亜美は首を振る。亜美の目には今にも流れ落ちそうな涙が溢れている。

茂は困ったような笑みを浮かべ、瞬きして流れ落ちた涙をそっと拭った。

「…私も」
「…ん?」

「…茂さんに、会いたかった」
「…うん」

「会って、沢山、沢山話をしたかったんです。それに、こうやって、ギュッてしてもらいたかった」

「…嫌なのかと思った」
「…へ?」

茂の言葉にキョトンとする亜美。

「…俺のことなんてもう、嫌になったのかと思ってたから」

「なんで!なんでそうなるんですか⁈私は、私は…」

言いたい事は沢山あるのに、後から後から涙が溢れて、止まらなくて、声も震えて、亜美は、顔を覆って泣き始めた。


茂は慌てて、また亜美を抱き締めると、ずっと背中をさすっていた。
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