年の差恋愛
二人の思いを聞き終え、あけみは静かにため息をついた。そんなあけみを見て、2人は、ただ黙ってあけみの言葉を待った。

「…そう、2人の決心は固いのね」
「はい…亜美さんには、人並み以上の苦労をかける事になると思います。それでも、私のすべてをかけて、亜美さんを幸せにしたいと思っています」

「…ママ。私、茂さんを幸せにしてあげたい。いつも笑って、時には喧嘩して、それでもこの手を取り合って、ずっとずっと一緒にいたいと思えた人だから…お願い、茂さんとの結婚を認めてください」

懇願するような目で、亜美はあけみを見つめた。・・・そしてまた、あけみは溜息をついた。

「・・・わかった」
「「・・・え?!」」

「そこまで二人の意志が強いなら、私はもう何も言わない。二人で幸せになって」
「…結婚を認めてくれるんですか?!」

あけみの言葉に、茂は素直に喜んで見せた。あけみも笑顔で頷いて見せた。…だが、その笑顔はすぐに消えた。

「…私が認めたからって、まだ安心しないで。…強敵が待ってるのを忘れていないでしょうね?」

「…はい、忘れていません」
「…どうしたら、洋ちゃんは、私たちを認めてくれるのかな、ママ?」


「それは、一筋縄じゃ行かないわね。・・・ただでさえ、一人娘の亜美をお嫁に行かせるんですもの。すぐにうんなんて言ってはくれないわ。大体、年齢が邪魔をしてるから、尚更、頷けないのよ・・・私も色々考えてみるけど、洋一は、一度こうだと決めたら、それを曲げるのは、かなり大変だから」


「…お母様」
「・・・う、うーん、その、お母様って言うの、どうにかなりません?お母さんって言われるのも、私より年上の貴方に言われるのは、若干抵抗があるから」

…そう言って苦笑したあけみ。茂も、どう呼んだらいいか、分からなかった。

「…あけみさんでいいんじゃない?その方が、ママも気にならないんじゃないかな」
「そうね、その方が嬉しいわ」

「…分かりました。・・・それじゃあ・・・あけみさん」
「うん、うん、それが良い」


あけみは、嬉しそうな顔でそう言った。
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