年の差恋愛
・・・そこへ、洋一が帰って来た。

「ただいま…まだいたのか」
「洋一!」

帰って来て、第一声がそれだったので、あけみは洋一を怒った。だが、洋一は、全く気にしていない様子。

そのまま二人を通り過ぎ、ソファーにドカッと座った。

「・・・で?どんな話?」
「洋一、わざわざ来たお客に向かって、そんな態度はないんじゃないの?!」

このまま行けば、あけみと洋一が喧嘩を始めそうな勢いだったので、茂がすかさず間に入った。

「あけみさんいいんです、気にしないでください。話しを聞いてくれるだけでいいんですから」
「でも」

「あけみ、だと?人の嫁をそんな呼び方して」
「洋ちゃんいい加減にして!ママが、そう呼んでほしいって言ったからそう呼んでるだけなんだから。話しを聞く気がないならいい!帰ろう、茂さん!」

横暴な洋一の態度に、腹が立ってきた亜美は、茂の手を引っ張った。

…だが、もう片方の手で、亜美の手を握ると、首を振った。

「まだ、何も話していない。何も話さないまま帰る事だけはしたくないんだ。…分かるな、亜美?」
「・・・・うん」

優しい茂の口調に、亜美は渋々と言った感じで頷いた。

そんな二人を見ている洋一は、複雑な心境になった。

「…話しを聞いていただけますか?」
「…分かった・・・聞くだけだからな」

「ありがとうございます」

そう言って、さっき、あけみに話したことと同じことをすべて話した。亜美も、最後に言った言葉を、洋一に話した。


「…話しはそれだけか?」
「はい」
「うん」


2人の返事を聞き、洋一は考え込んでいるような態度だった。




「…二人の覚悟も、決心も、よくわかった・・・でも、それでも認められない。俺は、亜美を貴方に託すことはできない」
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