年の差恋愛
「…洋ちゃん!なんで?なんで分かったのに、認めてくれないの?茂さんは、本当に良い人だよ?」

今にも泣き出しそうな顔で、亜美は洋一に訴える。

洋一は、拳を握りしめ、唇を噛み締めた
。そして…呼吸を整えると、亜美を見つめた。

「…亜美、苦労するのが目に見えてる結婚なんて、誰が認める?」

「…そんな事わからないじゃない。茂さんはずっと元気で、逆に私が病気や事故に遭って動けなくなるかもしれない。そうなったら、苦労するのは、私じゃなくて、茂さんの方なんだよ?」

「…」

「…この先の事なんて、誰にもわからない。一つ、一つ、2人で壁を乗り越えていければ良いと思ってる。それじゃあ、ダメなの?」

「澤田さん、私の両親も、最初はかなり驚いてました。亜美さんがかなり若かったので。特に母は、若いから何も出来ないんじゃないかと思ってたみたいで」

茂の言葉は、亜美にも衝撃的だった。その話は、本人も知らなかったから。

「ですが、一緒に過ごした数時間の間、亜美さんは母の横に行き、とても楽しそうに会話をしながら、色んな手伝いをすすんでしてくれたんです。誰に頼まれたわけでもなく、自ら」

「そんな事…誰でも出来ることだろ?」

洋一の言葉に、茂は首をふった。

「最近の若い子は、なかなか出来ないんですよ。自ら進んで手伝いをするということが。だから、母は、亜美さんなら大丈夫だと、心底思ったそうです。私も、この歳になっても、たまに抜けてる事があるらしいので、その点を、亜美さんが埋めてくれる、支えてくれるだろうから、手と手を取り合って頑張りなさいって言ってくれました。そして父も、私たちを見て、大丈夫だと思ったそうです」
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