私を見つけて
「いつからサッカーしてるの?」

ふと思いついて聞いてみる。
別に興味があるわけではないけれど。
会話を途切れされないために。

「ん? あぁ、小学生の頃から」

「へぇ。長いんだね」

「もぅ……十年になるかな」

「そんなにしてるの!? すごいね」

ひとつのことを、そんなに、長く続けたことのない私からすると素直に感心する。
アキはははっと、笑って「途中でやめたくなった時もあったけどな」と答えた。

「それでも十年も続けてるんでしょ?」

「まぁな」

「なんでやめたくなったの?」

「うーん……なんか急に。無力感に襲われたっていうか」

「なにそれ」

「なんか、限界を感じた」

「なにに?」

「自分に」

ふうん、と曖昧に返す。
自分に無力感を感じるなんてこと、私には日常茶飯事だから。








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