私を見つけて
私はしばらく……たぶんたっぷり三時間くらいはそこに座っていた。
病室なんてあんまり今まで入ったことがなかったけど、なにもかもが白いんだなぁとどうでもいいことを考えていた。
白い天井、白い壁、白い床。
白いベッド、白い布団、白い棚。
病室はそれほど広くない個室だった。
肉体の私が横たわっているベッドと、私が座っている丸椅子、それにテレビが置いてある棚、見慣れないいくつかの機材、それと窓際に小さな二人かけの茶色いソファがある。
ふと自分の姿を見下ろしてみれば、事故にあったときと同じ、高校の制服姿だった。
胸に桜デザインのエンブレムがついたブレザー、ライトブルーのシャツ、トラッドカラーのえんじ色のリボン、チェックのスカート、黒のハイソックスにローファー。
医者や看護師さんが頻繁にきては私の瞼をこじ開けたり、手首を触ったりする。
白衣の人もいれば、青色の服を着た人もいて、最初はどう違うのだろうと思っていたけれど、しばらく眺めていると青色の人は研修医だとわかったりもした。
私の容態というやつは、一言で言うととても危なかったらしい。
全身の骨折や打撲、それと脳挫傷。
この脳挫傷というのが一番やっかいで。
私の意識が戻らないのはそのせいだと、眼鏡をかけた三十歳くらいの医者がお父さんとお母さんに話しているのを聞いた。
そのときは、どれくらい日にちがたったかわからなかったけれど、お母さんや先生が話しているのを聞いて、どうやら事故にあった日から一週間が経過したとわかった。
その一週間の間、私は集中治療室というところにいて、脳の手術を二度もしたらしい。
このあたりの記憶がなくて本当によかった。
だって、自分の頭が開かれているところなんて、絶対見たくないもの。
手術は成功。
容態も安定して私は今いる一般病棟のこの個室にうつされたらしい。
あとは意識が戻るのを待つのみ。
病室なんてあんまり今まで入ったことがなかったけど、なにもかもが白いんだなぁとどうでもいいことを考えていた。
白い天井、白い壁、白い床。
白いベッド、白い布団、白い棚。
病室はそれほど広くない個室だった。
肉体の私が横たわっているベッドと、私が座っている丸椅子、それにテレビが置いてある棚、見慣れないいくつかの機材、それと窓際に小さな二人かけの茶色いソファがある。
ふと自分の姿を見下ろしてみれば、事故にあったときと同じ、高校の制服姿だった。
胸に桜デザインのエンブレムがついたブレザー、ライトブルーのシャツ、トラッドカラーのえんじ色のリボン、チェックのスカート、黒のハイソックスにローファー。
医者や看護師さんが頻繁にきては私の瞼をこじ開けたり、手首を触ったりする。
白衣の人もいれば、青色の服を着た人もいて、最初はどう違うのだろうと思っていたけれど、しばらく眺めていると青色の人は研修医だとわかったりもした。
私の容態というやつは、一言で言うととても危なかったらしい。
全身の骨折や打撲、それと脳挫傷。
この脳挫傷というのが一番やっかいで。
私の意識が戻らないのはそのせいだと、眼鏡をかけた三十歳くらいの医者がお父さんとお母さんに話しているのを聞いた。
そのときは、どれくらい日にちがたったかわからなかったけれど、お母さんや先生が話しているのを聞いて、どうやら事故にあった日から一週間が経過したとわかった。
その一週間の間、私は集中治療室というところにいて、脳の手術を二度もしたらしい。
このあたりの記憶がなくて本当によかった。
だって、自分の頭が開かれているところなんて、絶対見たくないもの。
手術は成功。
容態も安定して私は今いる一般病棟のこの個室にうつされたらしい。
あとは意識が戻るのを待つのみ。