たとえ見えなくなっても、私には。


「瞳美ー! ご飯食べに行こうか!」

「うん!」

4時間目が終わりお昼の時間。
私はいつも聡支君と空き教室で食べる。


「よいしょっと…とっ!!」

「大丈夫!?!?!?」

「だ、大丈夫…ありがとう。」


やっぱり、前より見えなくなってる。


視野が狭くなるから下に置いてある物やかけてあるものにいつも躓いてしまう。
その度に聡支君が支えてくれてる。


「本当に大丈夫? 無理しなくていいからね?」


「大丈夫だよ、行こっか!」


支えてもらって倒れはしなかったけど足が痛い、捻っちゃったかな。
でも、これを言ってこれ以上迷惑はかけたくない。


まだ心配そうにしてくれてる聡支君に私は早く行こ? と痛む足を無理やり進めた。



「美味しかったー!ご馳走様でした!」

「私もご馳走様でした。」



私達はお弁当を食べ終わった。
この後はいつもゆっくり時間までを何をするわけでもなく静かに過ごす。

でも、今日は違った。




「もしかして…ねぇ、瞳美。足見せて?」

「え? 何で?」

「痛そうにしてる…さっき捻ったのかな、早く気づかなくてごめんね?」


やっぱり気づかれちゃったか…。


「ううん、私が悪いんだから、保健室行ってくるね。」


「いいよ、ほら、僕の手掴んで!」


「え? だ、大丈夫だよ! 1人で行けるよ?」


「いいから、ほら!」
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