たとえ見えなくなっても、私には。
聡支君はゆっくりと私の目と足を気遣いながら保健室まで肩をかしてくれた。

結局迷惑はかけちゃったな…


「失礼しまーす!」


「あれ? 先生いないかぁ…」


「本当だね、じゃあ私冷やすもの探して行くから先教室行ってて?」


「僕やるから!! ほら、座る!」


「そんな、迷わ…「迷惑じゃないから!」

「うっ…うん。」



遮られちゃった…
でも、座るって…椅子は?


探しても椅子がない。



「ここだよ。」


棚をガタガタやっていた聡支君はそう言って手を軽く掴んで触らせてくれた。
椅子は私のすぐ下。


こんなのも見えなかったんだ、私。


つくづく自分が嫌になった。


「ほら、足出して?」

「うん…」


「ここかな、赤くなってるし。」


聡支君はさっき見つけたのか湿布を貼ってくれた。


「ありがとう、聡支君。」
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