あっぷるティーはお好きで?
友美と別れてから、バイト先に着いた。
そう、着くはずだったんだ。
学校から、歩いて行ける距離だったはず。

 「何でだろう?」

2時間後...

 「ここどこ?」

私が迷子になるなんて。ん?そう言えば友美がそんなこと言ってたような?

 「君、どうしたの?迷子?」

振り向くと、凄く綺麗で色気を出しまくってる男の人がいた。

24才?いや、もっとか?
 
 「あの、声に出てるよ?あと俺、大学生だよ。」

コエデテル?

 「...お若いんですね。」

 「さっきの言葉聞いてからだからかな?さほど、嬉しくないんだよね。」

 「照れますね。」

 「君とは一生分かり合えない気がするな。」

ところで、と前置きしてから大学生さんは言った。

 「迷子?だよね?ここら辺に君が望むような場所はないと思うけど。」

 「あっ、バイト先を探していて。」

 「バイト先?ん?・・もしかして、」

 「"ツバキ"っていうお店?」

ってないよね!と自分で言って笑っていた。

ツバキ?確かお花の名前だった気がするけど。そうです、と言おうとしたとき


 「だって、あそこメイド喫茶だよ?」

そう言ってから、大学生さんは、私の顔を見て笑いを止めた。多分、私の顔がそうだと言ってたからだと思う。

      「「・・・・・・・・・・・」」

しばしの沈黙が続いた。

 「お帰りなさいませご主人様。」

 「..えっと、本当にごめ「謝らないで下さい。」

謝ろうとしたのは笑ったからではなく、私が言ったからだろう。
ここで、謝れたら惨め以外のなにものでない。
 
 「...案内してあげようか?」

 「お願いします。」

気まずい雰囲気のなか、私たちは歩きだした。

少し歩いてから、私は声をかけた。

 「あの、お名前聞いても宜しいでしょうか?」

 「あっ、そう言えば言ってなかったね。
君みたいな子がよく名前も知らない男の人について来たとはね。」

君みたいとはどこのことを言っているのか分からないけど、

 「大学生さんは、"ツバキ"の関係者でしょ?」










 


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