冬の魔女と日だまりの姫


だって今日は、吹雪いてもいないし風も強いわけじゃない。


“今日は、そんなに寒くないのに”


そう思って首をかしげていた魔女はふと思いつきました。


“そうだ、この子の世界はとても暑かったもの。きっと、それに慣れすぎていて、ただれた肌が凍るから辛いのね?”


火傷を冷やすとき、とても痛かったのを思い出しました。


寒い、寒い、と訴えるお姫さまのために、魔女はお姫さまの体を暖かな空気で包みました。

ちょうど、魔女がお姫さまの世界で自分の体を薄氷で覆ったのと同じように。


少しずつ体を温められたお姫さまは、やっと起き上がることができました。



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