冬の魔女と日だまりの姫


そうして、魔女を見て言いました。


「あなたはだれ? 私に渡してくれたイヤリングは? どうして私はここにいるの? ここはいったいどこなの?」


矢継ぎ早に放たれた質問に、魔女はなんと答えて良いのかわかりませんでした。


イヤリングの行方はわかります。

お姫さまを呼んだ理由もちゃんとあります。


「イヤリングは、机の上。あなたを呼んだのは会いたかったから」


けれど、

〝あなたはだれ?〟

〝ここはいったいどこなの?〟

そんなの魔女がききたいくらいです。


「あとは……………」


“わたしはだれ?”

“ここはどこ?”


魔女にだって、そんなのわかりはしないのです。


「わからない」

「わからない?」


コクリと魔女はうなずきました。


< 15 / 41 >

この作品をシェア

pagetop