冬の魔女と日だまりの姫
そうして、魔女を見て言いました。
「あなたはだれ? 私に渡してくれたイヤリングは? どうして私はここにいるの? ここはいったいどこなの?」
矢継ぎ早に放たれた質問に、魔女はなんと答えて良いのかわかりませんでした。
イヤリングの行方はわかります。
お姫さまを呼んだ理由もちゃんとあります。
「イヤリングは、机の上。あなたを呼んだのは会いたかったから」
けれど、
〝あなたはだれ?〟
〝ここはいったいどこなの?〟
そんなの魔女がききたいくらいです。
「あとは……………」
“わたしはだれ?”
“ここはどこ?”
魔女にだって、そんなのわかりはしないのです。
「わからない」
「わからない?」
コクリと魔女はうなずきました。