冬の魔女と日だまりの姫



「名前は?」

「……魔女」


ぼそりと答えた声には、お姫さまも眉をひそめました。


「それは名前なの?」


魔女は一瞬首をかしげたあと、やはり、コクリとうなずきました。


「そう、じゃあ、魔女さん?」

「……うん」


沈黙のあと、先に口を開いたのはお姫様でした。


「私は、いつになれば帰れるの?」

ぼ~っとしていた魔女は、ハッとしてお姫様を見ました。


そうして、すぐに不安そうな顔をしました。


「帰ってしまうの?」


お姫様は、魔女のそんな様子に驚きました。



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