冬の魔女と日だまりの姫
泣いてしまったお姫さまをおろおろとしながら抱き締め返したネリネは、しばらくの沈黙のあと、そっとこうつぶやきました。
「お姫さま、もうあんまりここに来れないね」
「どう、して」
ネリネは、ちょっと困ったように笑いました。
「だって、その人、わたしのこと、嫌い、でしょ? だから、わたしに、お姫さまが会うの、嫌がる」
「なにも言わないで来るもの」
「だめ、だよ。また、心配されちゃう、でしょ?」
ネリネは、お姫さまを迎えに来た人たちが、すごい勢いで迫ってきたことを、鮮明に覚えていました。
「お姫さまに、冬は、似合わないよ」