冬の魔女と日だまりの姫
お姫さまは、はっと目を見開きました。
「お姫さまは、明るい陽射しが似合うから、きっと、ここにいちゃいけないんだよ」
顔をあげてネリネを見ると、ネリネは、ふわりと笑っていました。
けれど、やはりどこか寂しそうでした。
「……そんなことないわ」
お姫さまは、両手でネリネの頬を包んで、そっと、でも力強く言いました。
「あなたがいれば、ここだって温かだし、あなたの笑顔は私を幸せにしてくれるもの」
驚いた様子でただ大人しく聞いているネリネに、お姫さまはなお言い募ります。
「それに、ここの白銀の景色だって、とても綺麗なものよ。そしてなにより」
そこで言葉を区切り、お姫さまは、ふわりと笑いました。
「私はあなたが大好きなの」