冬の魔女と日だまりの姫
春に住む姫
その頃お城では、16の誕生日を迎えたお姫様の誕生日パーティーが行われていました。
国中の人々に愛されている姫の誕生日なので、今日は特別に、身分を気にせずに城の中に入ることができます。
いつもは貴族ばかりのパーティーも、今日だけは平民たちで賑わっていました。
幸せそうに笑うお姫様。
皆が口々に祝いの言葉を述べます。
「ではここで、皆さんから姫へ、プレゼントを渡していきましょう」
ある貴族は宝石を。小さな少女は花冠を。
皆が皆、大小さまざまな贈り物をします。
それがどんなものであってもお姫様は嬉しそうです。
それがどんなに小さなものでも、それがその人にとって、自分のできる一番の贈り物だとわかっていたからでした。
『ありがとう』
にっこりと笑うお姫様に、皆が頬を赤く染めました。