冬の魔女と日だまりの姫



「これが、お城……」

魔女は大きな門の前に立ちました。

お城の門です。


それは開かれていました。


そっと魔女が足を踏み入れます。


中に入るとちょうどある親子とすれ違いました。

「姫様に何をプレゼントしたの?」

「お花の冠だよ!」

「喜んでくれたかい?」

「うん!」

「そうかい。それはよかったねぇ。」


“プレゼント……?”


プレゼント……

なんとなく、今日はお姫様に贈り物をする日なのだな、と魔女は思いました。


ならば、自分は何を贈ろうか。魔女はまた考えました。


しばらくして、魔女はお姫様への贈り物を決めました。

贈り物を決めてお城の中へ入ると、そこにはたくさんの人がいました。

魔女は驚きました。

いままでずっと一人で生きてきた魔女は、こんなにも大勢の人を一度に見たのは初めてでした。



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