百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
その時、芝狸が、はっとしたように目を見開いた。
そして目を細め、何かを察したようにため息をつくと
私と周くんの方を見て言った。
『遊馬のことは心配せんでいい。
…何があっても、わしらは仲間を信じるまでじゃからな。』
え……?
私は、その言葉を聞いて、頭の上に?が浮かぶ。
確か、遊馬も同じようなことを言っていた。
“俺らは仲間を信じて竜ノ神を見つけるだけだ
……何があっても………!”
言葉の真意を読み取れず、私と周くんは顔を見合わせた。
一体、どういうこと?
私が、芝狸に聞こうと、口を開いた
その時だった。
ぴん!と芝狸の尻尾が真っ直ぐに立った。
そして窓の外を見るなり、私たちに向かって叫ぶ。
『竜ノ神の気配じゃ!
山の神社の方角から感じるわい!』
!
竜ノ神?!