百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
お世話になります
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「はぁ………。」
私は神社で解散した後、おんぼろアパートの部屋に向かって、一人でとぼとぼと歩く。
なんとも言えない、もやもやとした気持ちが心の中に渦巻いている。
あれから、また空を見渡したけど、
もう遥の姿も、紺の姿も消えていた。
…竜ノ神がまたいなくなっちゃったから
カンパニーに戻ったのかな…。
頭から遊馬の姿が離れずに
何度も今夜の光景がプレイバックする。
………ダメだ…。
何をしてても考えちゃう…。
私は、重い足取りでアパートの階段を登っていった。
ギシギシと鳴る音も、今日は嫌に思う余裕もない。
……何も考えられない…。
私は、はぁ、と息を吐いて、ドアノブに手をかける。
カチャ………
あれ…?