百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜

お世話になります


****


「はぁ………。」


私は神社で解散した後、おんぼろアパートの部屋に向かって、一人でとぼとぼと歩く。

なんとも言えない、もやもやとした気持ちが心の中に渦巻いている。


あれから、また空を見渡したけど、
もう遥の姿も、紺の姿も消えていた。


…竜ノ神がまたいなくなっちゃったから
カンパニーに戻ったのかな…。


頭から遊馬の姿が離れずに
何度も今夜の光景がプレイバックする。


………ダメだ…。

何をしてても考えちゃう…。


私は、重い足取りでアパートの階段を登っていった。

ギシギシと鳴る音も、今日は嫌に思う余裕もない。


……何も考えられない…。


私は、はぁ、と息を吐いて、ドアノブに手をかける。


カチャ………


あれ…?

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