百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
……どういうこと…?
私は、ゆっくりと窓際に近づき
ひょい、と遥の部屋の方を見た。
「っ!!!!」
強いショックが体中に走る。
「あ………あれって………!!」
そこには、遥の部屋の壁をぶち抜いて天高くそびえる、黒々とした金棒があった。
さ……
刺さってる……。
遥の部屋に、どこかで見覚えのある金棒が、刺さってる……!
言葉を失う私に、遥は無表情のまま言った。
「あれ、お前んとこの狸が飛ばした金棒だろ
……アレは鬼火銃で撃ちゃ消えるけど、壁にどデカイ穴が空いて天井もなにもねぇんだよ。
雨降ったら終わりなんだよ。寒ぃんだよ。」
たらり、と冷や汗が私の頬を伝った。
……い……嫌な予感がする。
すると、遥は不敵な笑みを浮かべて、私に言い放った。
「完全にお前らの責任だよな。
あの狸の部下として、お前には、俺をここに泊める責任があると思うけど?」