百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
ズドーン!と私の心にも金棒が突き刺さった気がした。
それか、落雷。最強レベル。
た……確かに、あの金棒を飛ばしたのは芝狸だ。
でも、それは、私を守るための行動だから、責めるわけにもいかないし…。
飛ばした後のことなんてまったく気にしてなかった。
そういえば、鬼と争ったあの神社って、このアパートの隣なんだよね。
…………刺さるはずだわ。
「ん、決まりな。
着替えとかは部屋から後で取ってくる。」
遥はそう言うと、再びカーペットに寝転んで私のクッションを抱いて目を閉じた。
……………
なんなの、こいつ…。
ほんと、猫なの?
自由気まますぎでしょ。
仮にも女の子の部屋で、“泊まるから”なんて言って。
……意識されてないってことなんだろうけどさ。