百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
……でも、遥のいうことも一理ある。
遥の部屋を壊しちゃったのは、事務所の責任だもんね。
「…いつまで遥をここに置けばいいの?」
私がそう尋ねると、遥は、ごろり、と私の方を向いて答えた。
「明日から、一心に壁を修理させるから、それが全部終わるまでだな。」
………な………
何日かかるのよ、それ!!!
私はめまいがして、よろり、と壁に手をついた。
……一ヶ月ぐらい遥と同居するってこと?
こいつ、性格は変態だけど顔は整ってるし…
心臓もたないって!
すると、遥が、ふっ、と笑って言った。
「別に、取って食ったりしねぇよ。
……お前が望むなら別だけどな。」
!
「なに言ってんのよ、バカ!」
遥はくすくす、と可笑しそうに笑っている。
もー!なんなのよ、こいつ!
すると、遥は、すっ、と立ち上がって歩き出した。
「あー…じゃあ、お前が飯食ってる間に風呂借りるわ。
着替え取ってくる。」