百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
そのセリフに、不覚にも心臓が、どきっ!と鳴った。
「お…お風呂ぐらい自分の部屋で入ってよ!」
「壁に穴が空いてるっつったろ。
俺の裸が外から丸見えなんだよ。通行人にとっちゃ、ただの変態だろーが。」
もともと変態でしょーが!!
いきなりの同居に動揺を隠せない私をよそに遥は、すたすたと玄関まで行き、ガチャとドアを開けた。
え?本気??
やっぱり、本当にここで生活を共にするわけ??
「遥!ちょっと待ってよ!!」
私は、パタパタと遥を追いかける。
すると、遥が開けた扉向こうには、目を疑う人物が立っていた。
「………なんで、遥が事務所の娘の部屋から出てくんの?」
ぞくり!
その声を聞いた瞬間、私は全身が震えた。
遥がその人に向かって答える。
「お、雅。」
ミヤビサン!!!!!!