百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜


ぎゃーっ!


一人、最強の修羅場を想像して、動揺する私をよそに

遥は、しれっとして雅さんに言った。


「俺、今日から詠の部屋に住むから、用事があったらこっちに来てくれ。」





ちょ……ちょっとちょっと!!


遥と同居するなんて言ったら私、さらにライバル視されちゃう!


最悪殺される!!


すると、遥の言葉を聞いた雅さんは、大きく目を見開いた。

そして、遥をドン!と突き飛ばすと、奥にいた私に近づいて、肩をガッ!とつかんだ。


ひぃっ!!!


私が、死を覚悟した瞬間

雅さんは私の予想をはるかに超える一言を発した。


「あんた、遥に何もされてないだろーな?

襲ってきたら、すぐに逃げるか殴るかしろ!わかったか?!」





え…え……?

えええ?


な…何?私、心配されてるの?

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