百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
すると、それを聞いた遥が、ほぉー。と感心したように言った。
「雅。お前女嫌い治ったのかよ?」
“女嫌い”?
すると、雅さんが、鋭い視線で遥を見ながら答えた。
「こいつは例外。……変な女だから。
…借りも出来ちゃったし…。」
へ……変な女って。
それよりも、雅さん、なんかいつもと雰囲気が違う。
なんだろ?
遥が、雅さんを見ながら言う。
「そんなに心配なら、お前もここに住めばいいだろ。
俺が詠に手ぇ出さないように。」
えっ?!
いや、待って、それは………
私が遥に向かって否定の言葉を言おうとした時
それより早く雅さんが、かぁっ!と頬を赤くして叫んだ。
「そ……そんなこと出来るわけねぇだろ!
俺はお前と違って、軽い男じゃねぇんだよ!」
…………
…………え?
すると、遥がぷっ!と吹き出して言った。
「お前、“素”が出てるぞ。
他の奴の前ではバレないようにするんじゃなかったのかよ。」
え……えええええ?!!!!
ちょ…ちょっと待って!
今なんて?!