百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
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「よし、夜ご飯できた!」
事務所からアパートに帰ると、私は二人分の夕食を作った。
…今朝、遥がリクエストした通り、ちゃんとオムライスにしてあげたんだから。
遥の分のオムライスに、ケチャップで
“バカ”とラクガキする。
これは、今朝私を置いてけぼりにした罰。
ちらり、と時計を見る。
針は、午後八時を指していた。
……遥、遅いなぁ…。
いつもどれぐらいに帰ってきてるかなんて、分からないけど…。
もうそろそろ帰ってくるかな?
私が窓の外を覗くと、その時、ギシギシ、とおんぼろ階段を登る音がした。
!
……遥、ちょうど帰ってきたんだ?
私は、くるり、と玄関の方に視線を向ける。
しかし、遥は私の部屋に入ってくる様子は
ない。
バタン!
隣の部屋の玄関が閉まる音が聞こえた。
?
遥ってば、私の部屋に住んでるってこと
忘れたの?