百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜


……え?

まさか、本気で爆睡してる?


嘘でしょぉ………?


私は、ゆさゆさ、と遥の体を揺すりながら
声をかけた。


「起きて、遥!そこは私の寝る場所……」


私がそう言いかけた

その時だった。


いきなり、ぱっ!と腕を掴まれた。


?!

えっ?!!


驚く暇もなく、引き寄せられた私は
そのままベッドに倒れ込む。




何が起こって………?!


すると、遥の口元が微かに緩むのが見えた。




……まさか、寝たフリ…………


と、次の瞬間。

遥は私を抱き込むようにして体を反転させ

気づいた時には、私はベッドの上で遥に
後ろから抱きしめられていた。


心臓の鼓動が一気に速くなる。


「ちょ…ちょっと、遥!!

何するの!は…離してよ!」

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