百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
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「はーっ!色んなお店回っちゃったね。
……紺は結局まだ見つかってないけど。」
私は、近くの店をひと通り見終わった後、
隣を歩く周くんに言った。
「そうだね、まぁ、まだ時間はあるし、焦らないで行こっか。
…紺が見つからなくても、今日はオフを楽しめればいいよ。」
周くんはそう答えながら私の隣で笑う。
……幸せだなぁ。
休日に、周くんと会えてる嬉しさが、
きゅーっ、と胸にこみ上げてきた。
私たちはそのまま、外にある大きな広場まで並んで歩く。
ここにはショッピングセンターだけでなく、施設の隣に、水族館や、アスレチックもある。
本当に広いな…ここ。
私が辺りを見回していると、周くんが
日陰にあるベンチを見ながら言った。
「佐伯さん。あそこに一回座って、これからのことを考えよっか。」
そうだ。
いちお、紺を見つける作戦を立てないと。
改めて外からショッピングセンターを見ると
こんな広い場所を一日探し回っても見つけられないかも、って思っちゃう。
私は、周くんに続いてベンチに着くと、ゆっくり腰を下ろした。