百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜


え?!


かあっ!と、顔が赤くなる。


「な…何それ!ちょっと、遥?!」


私がそう言った瞬間

ブツ!と、通話が切れてしまった。


ツー、ツー、と、虚しい機械音が響く。


何、アイツ……。


急に電話してきて、一方的に切るなんて。


……でも、どこか焦ってたような気がした。

冗談とかを言って、悟らせないようにしてたんだろうけど……



「………遥…………。」


私は、金色の鬼火銃のネックレスを
ぎゅっ!と、握って、窓の外を見た。


……遥……今、何してるの……?


目をつぶって、ネックレスに問いかけたが

遥の言う、加護者は加護者同士のことを知れる、なんて技は出来なかった。

私は、はぁ…、とため息をついて

姿の見えない遥と、別れ際の周くんの姿を、頭の中に浮かべたのだった。


淡い月明かりが、私の手の中の鬼火銃を
照らしていた。



*第3章・完*


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