百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
私は、シャラ…、と銀色の鬼火銃を手に取りじぃっ、と眺めた。
……これが、カンパニーの鬼火銃…?
ってか、雅が作ったって言ってたよね?
…周くんと芝狸に言わなきゃ…。
私は、ぐっ、と手にしたネックレスを握って心を決めた。
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翌日。
事務所に向かった私は
周くんと芝狸に昨日の出来事を話した。
『鬼火銃を奪われたぁ?!何やっとんじゃ
阿呆!
あれほど、カンパニーの奴らには近づくな、と言ったろうが!!』
芝狸のお叱りマシンガンが
ズバズバと私を撃ち抜いていく。
「本当にごめんなさい……!」
私は、尻尾を逆立てて怒る芝狸に
全力で頭を下げる。
すると、周くんが、ぽん、と私の肩に
手を置いて言った。
「詠ちゃんが無事だったならよかったよ。
事務所には鬼火銃の余りはないけど…
五発撃てるやつを貰ったんだよね?」
周くんの優しい言葉に、私は無言で頷く。
……あぁ。
こんな失態を犯した私を許してくれるなんてやっぱり周くんは神様だ……!