百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜


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それから数日後。

アパートの部屋で寝転がる俺は、だいぶ終わりに近づいた春の風を一人で感じていた。

凛が言ってたように、凛からは、連絡が全く来なくなった。


……やっぱり、忙しいのか?

あいつ…。


俺は、何も表示されないスマホの画面を見て小さくため息をつく。


……まぁ、夏を越えたら、いつも通りに戻るよな。

花火大会行けなかった時用の慰めの言葉でも考えとくか。


そう考え、ゆっくり起き上がった

その時だった。


「初めまして…ではないですね。

ご無沙汰しています、九条 遥君?」


?!


突然、部屋の中に妖麗な男の声が響いた。


ま………まさか………

凛の言う通り、本当にお化けが出たのか?!


驚いて後ろを振り向くと

そこには、いつか見た紫色の着物を着た男が立っていた。





絶句して、奴を見つめる。


………こいつ………どこから?!

って言うか……この男、凛のバイトの……


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