百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜


周くんと遊馬も、納得したように雅に笑顔を向けた。

すると、その時。

遊馬が雅に尋ねた。


「そういえばさっきお前、“詠の力が必要なんだ”とかって言ってたよな?

あれって、どういう意味だ?」





私は遊馬の言葉に、ぱっ、と雅の方を向く。


……確かに、雅はさっきそう言ってた。


すると、雅は私を見つめながら答えた。


「遥から聞いたんだけど、加護者ってのは、鬼火銃を通してお互いの状況がわかるんだろ?

遥は、研究所で凛の居場所を探す時も、その力を使ったみたいだけど?」





私は、その言葉に目を見開いた。


……そういえば、遥が水族館に私と周くんを助けに来てくれた時、同じようなことを言ってた。

…ということは、私が鬼火銃を通して、遥の居場所を突き止められるかもしれないってこと?


みんなの視線が、一気に私に集中した。

周くんが、私に向かって口を開く。


「詠ちゃん、そんなこと出来るの?」


遊馬も、続けて口を開く。


「今ちょっとやってみてくれよ、佐伯。」


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