百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜


どくん。


………。


私は、ふぅ……、と心を落ち着かせて、目を閉じた。


……遥に言われてやった時もそうだけど

私は、一回も成功したことない……


……でも、今はとりあえずやるしかない!


私は、ぐっ!と鬼火銃に向かって意識を集中させた。

体の中のエネルギーを、すべて神経に注ぐ。

そして、心の中で語りかけた。


………遥

今、どこで何をしているの…?

体は大丈夫なの…………?


………………

…………

……。


ぶはーっ!と息が漏れた。


「やっぱり、ダメだーっ!

ごめんなさい!全然感じられない!」


いくら念じても、遥から何かが返ってくる気配はない。


………遥は出来るのに………

私、加護者として未熟すぎるのかな…


それとも、遥に拒否られてるのかな……


すると、雅が息を吐いて言った。


「…そっか…。まぁ、仕方ないね。

鬼火銃が頼れない以上、自力で遥を探すしか……………」


その時

雅が、ぴたり、と言葉をとめて、ばっ!と窓の方へと視線を向けた。


?!


すると、雅は流れるような動作で鬼火銃をネックレスから変化させ

開いている窓に向かって、一発撃った。


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