百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



パァン!!


…えっ?!!


な…………

何が起こったの?!


状況をつかめない私たちをよそに、雅は、つかつかと窓辺に近寄って

ひょい、と何かを手に取った。

そして、雅はそれを見て小さく呟く。


「………やられた。」


…え?


驚く私たちに、雅は取ったものを手のひらに乗せて見せた。

それは、小さな黒い“蜘蛛”。


……!


まさか…………

これって…………!


雅が、眉間にシワを寄せて言った。


「これは八雲が放った“伝達蜘蛛”。

……今の会話、紺に筒抜けだったかもしれない。」





盗聴されたってこと………?!


周くんが、雅を見ながら尋ねた。


「じゃあ、君がこっちの味方についたことが知られてしまったんじゃ………」




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