百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
そっか……!
事務所と協力するってことは、雅がカンパニーを裏切ったことになるんだ!
すると、雅は、さらり、と答える。
「竜ノ神の宝石の力が使われた以上、もうカンパニーでの俺の仕事は無くなったんだ。
今さら俺がなにしたって、今の紺は遥を殺すことに躍起になってるから関係ないよ。」
私は、雅の言葉に胸を撫で下ろす。
……よかった。
これで雅まで紺に命を狙われることになったら大変だもん。
その時、芝狸が言った。
『とりあえず、わしらが今やるべきことは、九条の命を守ることじゃ!
皆の者!何が何でも紺より先に九条を見つけ出すぞ!』
私たちは、芝狸の言葉に強く頷いた。
………遥、待ってて。
絶対見つけ出して、あなたを守ってあげるから。
今まで、ずっと一人で戦ってきた遥を、今度は私が守るから。
………それまで、絶対死なないで………!
私はそう心の中で呟いて、鬼火銃をぎゅっ!と握りしめた。
遥に私の声が届けばいい、と
そう強く願った。