百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
溢れ出た想い
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「なぁ、詠の部屋にも帰ってきてないの?遥の奴は。」
「!!」
雅と共同戦線を張った日の三日後。
すっかり事務所に溶け込んで、ソファに座っていた雅が、爆弾発言をした。
私は、一気に凍りつく。
周くんと遊馬が、すかさず反応した。
「……今の言葉、どういう意味?」
「え?佐伯、九条が部屋に来ることがあったのかよ?」
私は、とっさに雅に向かって言う。
「ち……ちょっと、雅!!
その話は…………!」
しかし、私が止めるよりも先に
雅が、さらりと言った。
「?詠、少し前まで遥と同居してたじゃん」
「「!」」
あぁっ!!
な……なんてことを!!!
すると、芝狸までが反応し始めた。
『なんじゃ、小娘!やっぱりお主、カンパニーと繋がっておったのか!』
待ってよ、芝狸!
それは誤解で………
ってか、芝狸が飛ばした金棒が、遥の部屋をぶっ壊したせいで………
私が反論しようとすると、畳み掛けるように遊馬が言った。
「…佐伯、九条とそういう関係だったのか?
……知らなかったなぁ…。」
しみじみと言わないで!そこ!!
私は、大げさに首を振って否定する。
「遥の部屋は、偶然隣だったの!
…同居してたのは事情があって、仕方なく!しかも、ほんの数日間だし!」
みんなが想像してるようなやましいことは、一切無いんだってば!!
私は、遥と“健全な同居生活”を送ってたよ!
……まぁ、抱きしめられたりしたのは
口が裂けても言えないけど…。
と、その時
私は、はっ!として、ちらり、と周くんに視線を向ける。
………一番、周くんには知られたくなかったのに…!!