百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜


周くんは、微笑みながらそう言った。

そして、テレビをつけて何事も無かったかのように紺の動向をチェックし始める。

遊馬が、芝狸とこっそり話し合った。


「…今の、どこまで冗談だと思います?」


『いや、わからん。周は意外と“食えない男”じゃからの…。』


私は、頭の中が混乱し始めた。


…冗談だよね?

今の言葉は。

…本心なわけないじゃんね?


だって、あれが本心だとしたら

周くんは、私のことを…………


って!

何考えてんだ!私!


雅が、申し訳無さそうに言った。


「同居してたこと、秘密にしてたの?

…ごめん、俺、余計なこと言った?」


私は、雅に向かって首を振った。


「…いや、びっくりしたけど…

冗談でも、周くんから嬉しい言葉を聞けたから、いいよ、許す。」


すると、雅は私の言葉に周くんを、ちらり、と見て呟いた。


「……冗談か?…あれ。」


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