百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜


私は、ぼっ!と頰が染まる。


と……“特別扱い”?!


「そんなことされてないよ!

周くんが私に優しいのは私が“加護者”だからお姉さんみたいに無理しないようにって、気を使ってくれてるだけで…。」


すると遊馬は「そこも原因か…」と頭をくしゃくしゃ、とかき上げた。


…?


遊馬は苦笑して私に答える。


「…じゃあ、九条は?実際のところ、九条のことはどう思ってるわけ?」


え?!

遥?


私は遊馬の質問に即答する。


「…早く見つけたい!」


「そういうことじゃなくて…。」


眉を下げた遊馬は、少しした後何かに気づいたように私を見た。


「…佐伯。九条に早く会いたいか?」





私は、「…そりゃ、心配だし。」と頷く。

すると遊馬は、どこか遠い目をして呟いた。


「…そっか…。

…周が“妬く”のは、佐伯の気持ちに気づいてるからか。」


…?


私は、よく聞き取れなかった遊馬の言葉を聞きなおそうと、遊馬に向かって口を開いた

その時だった。


「…あ……。」


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