百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
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「……はぁ…はぁ。」
私は、そのまま金色の花びらが飛んでくる方角に向かって、走り続けた。
すると、路地を抜けて自然が多くなった頃
目の前の道に、山へと続く階段を見つけた。
私は、ふと立ち止まる。
「こんなとこあったんだ……。」
引っ越してきたばかりで、この辺はあまり来たことがない。
なんだか…冒険してるみたい。
私は、ごくっ、と喉を鳴らして、その階段を登って行った。
………てか、何段あるんだろう?これ。
見上げると、ざっと数十メートルはある。
でも、不思議と私の足は止まらなかった。
“見てみたい”。
その好奇心は、おさまらなかった。
少し登っていくと、やがて赤い鳥居が並んでいるのが見えた。
その鳥居は、階段の途中からトンネルのように連なっている。
……不思議………。
なんだか、ここから世界が変わっていくみたい……。