百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



「へぇ……これお前のなんだ?」



青年の声が近くで聞こえる。


不覚にもまた、心臓が早いリズムで鳴り出した。



なんなの…?



「ねぇ、あんたもこの銃のこと知ってるんだよね…?」



あんた、一体何者なの……?



私が、そう聞こうとした瞬間だった。


青年が、はっ、としたような表情に変わる。


そして、私の制服のシャツに手を伸ばした。


ぐい、と襟を引っ張られ首元が露わになる。



!!



……な………!!!



「何すんのよ!この変態っ!!!」



私は、バシッ、と彼を引っ叩いた。


青年は少し私から離れて、「危ねぇだろ!」と、叫ぶ。


そして、顔を赤くする私に言った。



「お前のその胸のアザ。竜ノ神か?」







コイツ……なんで……?


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