百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
はっ!としてその声の方を見ると
僕の背後にあったはずの道が消えていて、
ドスン!と大きな黒い蜘蛛が現れた。
………!
あれは…………
八雲の本来の姿………!
「やはり罠だったのか…!八雲…!」
僕がそう叫ぶと、八雲は赤い八つの目玉を
ギョロギョロ、と動かして僕を見た。
『……ふふ。私が本気で情報を与えるとでも思っていたのですか?
…そんなことあるわけないでしょう…!』
「……っ!」
僕は、八雲を警戒したまま
鬼火銃をネックレスから変化させる。
金色の銃口を八雲に向けた。
「広場では取り逃がしたんだったな…。
あの時のケリをここでつけてやる…!」
僕の言葉を合図に、芝さんが肩に、ぴょん、と乗っかった。
パァッ!と体に力が湧く。
…芝さんとなら、加護者じゃない僕でも
八雲と戦える…!