百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜


紺の言葉に、遊馬と雅はスピードを緩める
ことなく走り続けて、紺に攻撃をし続ける。

パパパッ!と鬼火銃を連射した遊馬が、雅に向かって叫んだ。


「一気に畳み掛ける!紺から目を離すな!」


その言葉に、雅は力強く頷いて

遊馬とともに紺に狙いを定めた。

その時

遊馬と雅の姿が、ふっ!と消えた。




何………?!


私が目を見開くと、紺も少し動揺した様子で辺りを見回している。

すると、辺りを見渡す私の視界に、妖力を放出する芝狸の姿が映った。




…まさか…!


と、その時

紺の背後から遊馬と雅が現れた。


『!』


紺は、はっ!と目を見開く。


…やっぱり、芝狸の力で瞬間移動したんだ!


遊馬と雅が至近距離で紺に鬼火銃を向ける。


「…これで終わりだ…!

おとなしく浄化されろ、紺!!」


遊馬の声とともに、二人の鬼火銃から金と銀の弾丸が放たれた。

その弾は、まっすぐ飛び出して紺の体を貫く。





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