百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
…!
「周くん………!」
私が周くんに手を伸ばそうとした
次の瞬間だった。
バチッ!!
「!」
あと数センチのところで
私と周くんの間に光の壁が現れた。
……っ?!
周くんは、その壁に弾かれるように
ぶわっ!と飛ばされていく。
「周くんっ!!」
周くんは、そのまま遊馬と雅の方へと
飛ばされて、ドサッ!と地面に墜落した。
…ど……
…どうして………?!
何が起こったの…?
その時
紺がククク……、と笑いだした。
状況を飲み込めない私と周くんたちは、眉を寄せて紺を見る。
紺は、余裕の笑みで口を開いた。
『私がみすみす加護者を奪わせる隙を与えるわけないでしょう。
…お前たちはあの結界を破らない限り、
永遠にお嬢さんを奪うことはできませんよ』
!
その時。
私の脳裏に周くんたちがここに到着する時の記憶が浮かんだ。
確か、あの時、紺は私に向かって腕を突き出すような仕草をした。
あの時は何の感覚もなくて、何が起こったのかわからなかったけど
紺はあの瞬間、私の周りに結界を張っていたんだ。