百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
遊馬が、周くんに向かって叫ぶ。
「周!お前が社長の力を借りれば、あの結界を破れる!
もう一回仕掛けよう!」
しかし、周くんは悔しそうな表情を浮かべて動こうとしない。
「何やってんだよ、周!
このままじゃ、本当に佐伯を奪えないぞ!」
すると、その遊馬の言葉を聞いた雅が
はっ!としながら言った。
「ダメだ!あの結界を鬼火銃で撃ち抜いたら中にいる詠にまで当たってしまう!」
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遊馬が目を見開いた時
周くんが雅に続いて言った。
「あの結界を破るとしたら、相当強力な弾丸じゃないとダメだ。
詠ちゃんが受ける衝撃が大きすぎる…!」
…!
全てに気がついて、私は周くんたちを見た。
……確かに……
人を殺せないと言っても、当たればノーダメージじゃない。
…紺の結界を浄化するレベルの弾丸ならなおさらだ。
私は、ぞくっ!と体が震えた。
……じゃあ………
私はこのまま、周くんたちの元に帰ることは出来ないの……?!
紺は、勝ち誇ったような笑みを浮かべて、周くんたちを空から見下ろした。
『…残念でしたねぇ…。
…身の程知らずの人間が。ここで全員殺してあげましょう……!』
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