百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜


私を縛る光の縄は、紺と連動するように
ギリギリと私を締め付ける。


…苦し…………!

このままじゃ……本当に………!


その時、遥が紺に向かって

パァン!と鬼火銃の引き金を引いた。

紺は、縄に込める力を抜き、さっ!とその弾を避ける。

かはっ!と呼吸をした私をちらり、と見ながら、遥は口を開いた。


「なるほどな…“アレ”が心臓だったわけか。

どうりで、いくら撃っても浄化されねぇわけだ。」


遥の言葉に、周くんも鬼火銃を構えて言った


「でも、どうする……?!

詠ちゃんを危険にさらすなんて出来ないだろ…!」


その時。

紺が遥に向かって、ドドドド!と、闇の矢を放った。

遥が、矢を一本ずつ鬼火銃で撃ちぬきながら口を開く。


「…大丈夫だ、周!まだ策は…………」


遥がそう言いかけた

次の瞬間だった。


ガッ!


撃ちきれなかった矢の一本が遥の体をかすめ、遥が顔を小さく歪めた。





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