百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
****
学校に着くと、私は下駄箱の近くにある時計を見上げる。
…今日は遅刻じゃない。
当たり前だよね。
入学早々二日連続で遅刻なんて、ありえないもん。
すると、聞き覚えのある声が後ろから聞こえた。
「おはよ、佐伯さん。」
私が、ばっ!と振り向くと
そこには王子スマイルを浮かべた周くんがいた。
朝から運いいな〜!
「お…おはよ!」
私が返事をすると、周くんはちら、と私の首元のネックレスを見て言った。
「ちゃんとつけてくれてるんだね“それ”。」
私は、こくこく、と頷く。
わーい、周くんとお揃いだ!
その時、ふとあの変態男の顔が浮かぶ。
そうだ、アイツのことを聞いてみよう。
私は、周くんに向かって尋ねた。
「あの、周くん。」
「ん?なに?」
私は、鬼火銃のネックレスを指しながら言った。
「これ、銀色のもあるの?」