百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
するとその瞬間、周くんの顔が
ふっ、と変わった。
驚いたような顔をして、そして一気に真剣な瞳に変わる。
「……どこでそのことを……?」
さっきとは違う周くんの様子に、私は動揺する。
え?
…私、なんかまずいこと聞いちゃったのかな
私は、平静を装って、答える。
「じ…実は、最近会った男の人が、これと似たネックレスをつけてて…。
仲間か何かなのかな〜って……。」
すると、周くんは、驚いて私の顔を見た。
「佐伯さん、九条 遥と知り合いなの?」
えっ!?
まさか、周くんの口からアイツの名前が出るなんて。
私は、明るく尋ねる。
「周くんも知ってたんだね!
あいつも、遊馬みたいな竜ノ神探しの仲間なの?」
すると、周くんは静かに答えた。
「佐伯さん……。もうあいつには関わらない方がいい。」
……え?
私は、予想外の言葉に、ピク、と体が動く。
すると、周くんは、真剣な表情のまま、静かに言い放った。
「九条 遥は“敵”だよ。近づいちゃダメだ。」
ドクン。
心臓が鈍く鳴った。
どうして……?