紅いワイン

 すると、珠里子は冷たく言い放った。

「あら、いつも言ってるじゃない。

 百合ちゃんは貧血が酷くって、あまり食事を取れないの。

 お前だけ沢山食べるのは、百合ちゃんが可哀相でしょ。

 姉弟は平等でないと、ならないのよ」

 ふたりのメイドは、気まずそうに顔を見合わせる。

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