紅いワイン

 実は秀三は、零がヴァンパイアであると知っていた。

 いや、知っていて養子にしたのだ。

 夕食後「赤ワインを飲む」と言いながら本当は飲まず、百合の血を貪っていたのも、知っていた。

 零を探したのも、珠里子に養子として勧めたのも、秀三だった。

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